フリーペーパー うぇるかむ

「うぇるかむ」は、東日本大震災により、山形県へ多数の方が避難されたことをきっかけに、2011年8月に創刊されました。詳しくはこちらをご覧ください
「なみえ焼そば」~故郷の思いを胸に~

初夏はさまざまな花が咲き誇り、県内各地で花の祭りが行われる季節。六月十六・十七日の二日間は、南陽市にある「双松バラ園」でバラまつりが開催されました。その中で、白い販売車にのぼりを立て、「なみえ焼そば」を販売する高橋昭太郎さんにお会いすることができました。
「なみえ焼そば」は、福島県双葉郡浪江町で生まれたご当地グルメのひとつです。
その歴史は五十年以上で、B1グランプリにも参加し、二〇一一年は全国四位となるほどの人気ぶり。しかし、浪江町は町全体が避難指示を受けたため、現在は避難先の二本松市で製造・販売が継続されているそうです。

From山形:「なみえ焼そば」~故郷の思いを胸に~
高橋さんも震災後の三月二十日に米沢市内にある避難所へ。避難生活の中で、会話や交流を楽しむため、万世コミュニティセンター「おいで」に毎週足を運ぶようになりました。
「今まで多くの方々にお世話になり、支えられてきた。そのお返しがしたい。」
高橋さんはそう思うようになり、ふるさとの自慢の味「なみえ焼そば」で、今度はみんなに喜んでもらえたらと焼そば作りを始めたそうです。
「故郷を思い出しながら頑張っている。でも、タンポポの綿帽子と同じで、どこに種を下ろしていいのか分からない状態。早く国の指針を決め、我々のゆく道を決めて欲しい。」
高橋さんの作る「なみえ焼そば」は、お肉ともやしのシンプルな具材に太麺。ピリッと一味唐辛子がきいていて、くせになる味です。これからも浪江の味を多くの人に提供していただきたいです。(じゅんちゃん)