フリーペーパー うぇるかむ

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旬を迎えるベニバナ栽培

 新緑が鮮やかな、初夏の訪れを感じる時期ですが、5月末に本紙でレシピを担当して頂いている鈴木淳子さん宅を訪れ、一足早いベニバナの収穫についてお話を伺いました。
 鈴木さんは青森から山形市内で代々続く野菜農家に嫁がれ、農業の傍ら山形県の特産品でもあるベニバナの栽培と普及活動に、ご主人や仲間とともに取り組んでこられました。また、山形の在来作物を広める「山形在来作物案内人」としても活動されています。ベニバナ農家のほとんどは露地栽培ですが、鈴木さんは数少ないハウス栽培をしています。ハウス栽培の場合、11月頃に種まきをし、露地物に比べ1か月ほど早めに収穫を迎えます。

 

 ベニバナといえば、花の部分は鮮やかな赤色を発する染料や口紅として使われたり、漢方では「紅花(こうか)」という生薬としても用いられ、血行促進・保温作用があると言われています。花は重宝されますが、葉物の部分は、農家では昔から自家用野菜として食すか廃棄されることがほとんどでした。鈴木さんはベニバナ若菜の有効活用のため、数年前に東北公益文科大学大学院で研究されたほか、小学校の家庭科の授業や市民向けの料理講座などを通じ普及活動をされてきました。

 鈴木さんは「コロナ感染防止のため、家に居る時間も長くなり、食や健康への意識も高まっていて、地産地消を見直す良いきっかけだと思っている。ベニバナ若菜はビタミンC・Eが豊富で抗酸化作用があり、クセが無い。油料理とも相性が良いので、店頭で見かけたらぜひ味わっていただき、様々なレシピを楽しんで欲しい。」と語ってくれました。ベニバナ若菜を使ったレシピについては本紙レシピコーナーの他、鈴木さんのブログでもご紹介しています。

 

【お問合せ】
山形在来作物案内人/食育デザイナー 鈴木淳子
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