フリーペーパー うぇるかむ

「うぇるかむ」は、東日本大震災により、山形県へ多数の方が避難されたことをきっかけに、2011年8月に創刊されました。詳しくはこちらをご覧ください
除染か 避難か

福島県自然保護協会事務局 横田清美

福島県自然保護協会は、福島第一原発の事故以来、土壌や水などの放射線量を調べています。除染の水が川を汚染しないか、山や森に降り積もった放射性セシウムはどこへ移動するのか、山の土や川の水を測定器で測ることでその行く先を追跡しています。
土壌汚染は深刻です。福島原発の北西方向60㎞に及ぶ範囲には60万~3000万ベクレル/㎡の汚染地帯が広がり、まだ多くの人が住んでいます。
しかし、農作物は思ったほど汚染されませんでした。理由は二つ。一つは福島の土は粘土が多いので、セシウムが粘土と吸着し、作物に移行しにくかったため。もう一つは、田畑を耕して上下の土をかきまぜたことでセシウムの濃度が薄まったためです。果樹や山菜などが暫定基準値を超えたのは、土を耕さない作物だからです。
除染すればなんとか住めるようになるところもあれば、除染しても住めないところもあると思います。除染すべきか避難すべきか、国は良識ある専門家の意見を聞いて検討すべきです。放射線量が高い地域では、動物のすみかを壊す無謀な山林除染に多額のお金を使うよりも、子どもたちを早く避難させることを優先させてほしいものです。

普段は自然の楽しさを教えています