フリーペーパー うぇるかむ

「うぇるかむ」は、東日本大震災により、山形県へ多数の方が避難されたことをきっかけに、2011年8月に創刊されました。詳しくはこちらをご覧ください
南陽市 NPO法人PONTE 代表 高 橋 陽 子 さん
南陽市
NPO法人PONTE
代表 高 橋 陽 子 さん

Q 震災の時はどこで過ごしていましたか?

福島市出身です。当時は、自宅で整体院を開業しており、患者さんを玄関で迎えた時に地震に遭いました。歩けないほどの大きな揺れにとても驚きましたが、揺れがおさまってすぐに自転車で娘を迎えに行きました。近所の店で保護されていた娘の顔を見て、ほっとした事を覚えています。その後、3月15日に主人の実家がある南陽市や、蔵王のペンションに避難しましたが、4月に入り娘の学校も始まったので福島市の自宅に戻りました。その後、放射能の事がどうしても気にかかり、2011年の8月に南陽市の借り上げ住宅に引越し、福島市で整体院の仕事をしながら二重生活を過ごしました。1年後に整体院を辞めて、南陽市に完全に移り住みました。南陽市での生活は、震災を一切感じさせないほど居心地が良く、福島からの避難者と偏見を持たれることもありませんでした。これが普通の生活だと実感しました。冬の雪の多さも負担にはならず、生活の落ち着きと共に、交流会にも参加するようになり話が合う友人もできました。

Q イタリア保養を始めたきっかけは何ですか?

南陽市への一時避難から福島市に戻った後、チェルノブイリの子ども達の保養に携わっている北海道の団体、「チェルノブイリへのかけはし」が主催していた、イタリア保養募集のチラシが目に留まりました。娘を参加させる事は、家族や親戚、友人からは反対されましたが自分の中で迷いはなく、2011年7月のイタリア保養に参加させました。この出来事が、現在の保養団体を立ち上げるきっかけになりました。2年ほど保養に参加しましたが、2013年に、「チェルノブイリへのかけはし」がイタリア保養を辞めてしまう事になりました。今後も子ども達を参加させ、保養の認知を上げていきたいという想いもあり、一緒に保養に参加していた保護者が一致団結し、有志団体「ふくしまっ子」を立ち上げ、子ども達をイタリアに送り出しました。翌年の2014年には同じメンバーで「NPO法人PONTE」を立ち上げました。

Q イタリア保養について教えてください

参加人数は20名前後で、小学生をメインに夏休みに開催しています。現地では、厳しい審査を受けて任命された里親さんの自宅にホームスティをします。到着後最初の1週間は、イタリア在住の日本人通訳サポートがつきます。その後、子ども達は異国での言葉の壁を乗り越え、ジェスチャーや絵を描いてコミュニケーションをはかります。また、地中海に青く広がる海で泳ぎ、青々と茂る山で森林浴をし、イタリアの家庭料理を食べて、毎日を楽しみながらデトックスしていきます。同じホームスティをしていたベラルーシの子ども達とも友達になり、国際交流を深めています。

避難者へのメッセージ

保養に関していろいろな情報がありますが、周りに左右されず、自分自身で決めた事に突き進んでほしいと思います。決定するのは自分しかいません。
「PONTE」で開催しているイタリア保養では、本来の保養の目的である、体の中を綺麗にすることを目標にしています。少しでも興味があればぜひチャレンジしてください。子ども達が、日本とイタリアの架け橋になり、将来「PONTE」の事業を継いでくれたら嬉しいです。

イタリアの家族と過ごす夏休み
募集要項 日程:7月20日~8月30日前後の1ヶ月
参加対象者:小学1年生~6年生
定員:約20名 参加費:約20万円
応募ご希望の方は、HPまたはFBより詳細を確認しお申込み下さい。

特定非営利活動法人 PONTE
ホームページ:http://ponte.love