Special Interview
新庄市
自家焙煎珈琲の店 bino(ビノ)
店長 菅原 健児(すがわら けんじ)さん
焙煎士・SCAJ認定コーヒーマイスター
菅原 清子(すがわら きよこ)さん
Q 震災の時はどこで過ごしていましたか?
(健児さん)
新しい事業の準備時期で、当時3歳の娘と自宅にいる時に地震に遭いました。家具も壊れていくほどの大きな揺れの中で、もうダメかと思ったほど怖かったです。震災が無ければ野外活動の事業を立ち上げる予定でしたが、震災があってできなくなりました。
(清子さん)
当時は養護学校の教員をしていて、卒業式を終えた後に地震がありました。その日は家族と避難所で一夜を過ごしました。すぐに学校が避難所になる連絡が入り、運営の手伝いをしていました。原発事故の後は、猪苗代や実家のある新庄市に一時的に避難しましたが、4月に郡山市に戻り、教員の仕事を続けながら避難できるところを探しました。23年10月から山形県南陽市に避難して、それから約1年半は避難先から郡山まで新幹線通勤を続けました。南陽市は町内のイベントも多くて、近所の方にも良くしてもらい、住みやすい場所だったと思います。
Q 珈琲店を始めるきっかけは何ですか?
(清子さん)
体育教員でバドミントンを専門に指導していました。家族が増え、忙殺していく日常に疑問を持ち始めていました。そして震災を経験し、自分のなかの価値観が変わり「夫婦で好きなことを仕事にしよう!」と決断しました。南陽市で避難者支援相談員の仕事をしながら、コーヒーマイスターの資格をとり、東京のカフェバッハで焙煎の勉強を始めました。
Q どんなお店にしたいですか?
(清子さん)
まずは色んな人が垣根無く、来てもらえるお店にしたいです。そしてたくさんの人に、香り高くてよいコーヒーを知って欲しい。このコーヒーで新たな繋がりが持てたり、「よし、がんばろう」と次の活力が生まれるようなお店にしたいと思っています。
(健児さん)
双眼鏡(binocular)の頭文字から「双」という意味のbino(ビノ)という店名を付けました。二人で頑張って、「あの店主に会いに行こう」と言ってもらえる様なお店にしたいです。お店のスペースを将来は展示に使える様にしたり、コーヒー教室をしたり、やってみたい事をどんどんしていきたいです。
避難者の方へのメッセージ
(清子さん)
お店は始めても、福島に戻るかもしれないし、戻らないかもしれない。決めていくのはこれからです。一つ一つ、自分たちの出来る事をしながら決めていきたいと思います。
(健児さん)
自分の中の軸はしっかり持つようにしてきました。あとは、家族が笑っていられる事が一番大事。色んな人にお店に来てほしいです。新庄まで足を延ばす機会がありましたら、是非お越しください。お待ちしています。
1月28日オープン!【自家焙煎珈琲の店 bino】
住所:〒996-0032 山形県新庄市上金沢町4-7
TEL / FAX:0233-32-1188
営業時間:9:00~18:00 定休日:不定休
ホームページ http://coffeeya-bino.com/