フリーペーパー うぇるかむ

「うぇるかむ」は、東日本大震災により、山形県へ多数の方が避難されたことをきっかけに、2011年8月に創刊されました。詳しくはこちらをご覧ください
寒河江市 moufle(モウフル)会 石川由香さん

Q 震災前・震災時はどこで過ごしていましたか?

 郡山市出身です。当時、子どもは1歳と小学校1年生でした。15日頃テレビで原発事故を知って、友人からも「避難したほうがいいよ」と言われ、家族で大阪に一時避難しました。
 自主避難を考えて最初は新潟県に避難先の下見に行きましたが、その後、寒河江市に下見に。子育てするにはちょうどいい環境だったのがとても気に入りました。夫も寒河江市への避難に賛成してくれて、2011年8月に寒河江市に自主避難する事になりました。夫は福島に残っていますが、毎週のように子どもに会いに来てくれています。

Q  会をはじめたきっかけは?

 寒河江市に来たばかりの頃は、永住するつもりは無く、周りの人とどこまで仲良くなったら良いのか分からなくてなかなか友人ができませんでした。寒河江市が開いてくれた避難者のイベントに参加した時、初めて同じ境遇の人と会って、横の繋がりができたのがすごく嬉しかったです。
 元々、郡山にいた時から洋服や食べ物を手作りするのが好きで、お店に卸して販売したりした事があり、それを生かして同じ避難者同士集まれる会が出来たらいいな、と思うようになり、moufle会(モウフル=フランス語で「ミトン」の意味)を始めてみる事にしました。moufle会には同じ世代の子どもを持つ親が集まるようになりました。人が集まって手作りしたらおしゃべりも弾み、行く所が限られる乳幼児を連れたお母さん達にとっては、ささいな話をするだけでもすごく癒されました。これまでランチ会や餃子パーティ、編み物会や石鹸づくりなどをしてきました。作ったものを使うのも、とても楽しいです。
 最近は避難元に帰る人も増えて来て、参加する人も減って来たので定期開催はお休みしていますが、「やってほしい」と声をかけられたら開催するようにしています。

Q  会をやってみてどうでしたか?

 moufle会をやってみて、同じメンバーで集まっていると共感しあえる友人がたくさんできました。ここでできた友人は特別。嫌なことがあったり、この先が不安で落ち込むこともあるけれど、気の許せる仲間や友人ができて気が楽になり、ちゃんと立っていられる自分になれました。避難して嫌な事だけじゃないし、子育てで自分が成長できた部分もあると思います。悩まされるのも人、助けられるのも人。出会う人を大切にしていきたいと思います。

 

Q  これからの予定は?

 借上げ住宅の支援が終了する時に、子どもは小学6年生と年長になります。その時に帰ろうかと私は思っていますが、子どもは寒河江市に残りたいと言っています。寒河江市では知らない人が優しくしてくれたり、スポ少で知り合った人たちも優しくて、人が温かい。もうここに住んでも良いかと迷いますが、時間をかけて考えていきたいと思います。

moufle(モウフル)会
手芸会、石鹸づくり、お料理会のご希望の方は、下記お問合せ先までご連絡ください。
[お問合せ先]復興ボランティア支援センターやまがた(月-金 9:00~17:00)
TEL:023-674-7311