その後は釣りの事を勉強したくて、多賀城市の釣具屋に勤務しました。釣りが大好きで、よく「釣り河北」に自分の釣った魚を投稿したりしていました。
震災の時も、ちょうど勤務先の釣具屋にいる時でした。地震の直後、友人が「津波が来るから逃げろ!」と教えてくれて、車で逃げて何とか助かりましたが、釣り仲間や親せき、たくさんの友人が流されてしまいました。自分が勤めていたお店は奇跡的に無事でした。流されてしまった釣り仲間が、店を守ってくれたのかもしれない、と思いました。住んでいたアパートもなんとか無事でしたが、着るものや携帯などは流され、食べる物もない日が続きました。
酒田市の友人が地震の一週間後に「生きてるか?」と電話をくれて、「食べ物や着る物、ガソリンが欲しい」と言ったら、その友人は二日後に物資を持って宮城まで来てくれました。「とりあえず酒田に来た方がいいんじゃないか」とその友人が誘ってくれたこともあって、その後酒田市内の避難所に行きました。
Q お店を始めるきっかけは?
酒田市内の避難所で1か月ほど過ごしました。酒田市で中華料理屋をしていた時の友人が、一緒に先の事を考えてくれて、中華料理屋を再開する事を決めました。お店を再開する時は、友人がみんなで手伝ってくれて、本当に優しくしてくれました。酒田に住むことを決めたのも、酒田の人の馴染みやすくて親切な人柄が大好きだったからです。
Q お店を始めてみてどうですか?
お店を再開すると、宮城の友人が日本海に釣りをしに来るときに寄ってくれます。昔の友人が来てくれると、涙が出るほど嬉しい。牡鹿半島の狐崎浜から牡蠣を仕入れて、お店でも出しています。
最近は、酒田の友人に誘われてゴルフを始めました。紅蘭主催のゴルフコンペを開くのはもう4回目。年に2回開いています。仲間が集まってくれて、すごく楽しいです。
Q おすすめのメニューは何ですか?
友人には餃子、チャーハン、広東麺が人気です。他にも、ニラレバやホイコーローも人気がありますよ。夜は10時まで営業しているので、飲みに来る人も多いです。
唐揚げや酢豚などの定食、ラーメン、焼そばのほか、餃子や一品料理もあります
避難している方へのメッセージ
避難所にいた時、色々考えてお店を再開する事を決めました。たくさんの友人が手伝ってくれたし、すごく悩んだ末に決めた事なので、できる所までは頑張っていこうと思っています。釣りやゴルフを楽しみながら、過ごしていきたいです。
見ただけでは同じ避難を経験しているのは分からないけど、ぜひお店に来て声をかけてください。
中華飯店 紅蘭(こうらん)
〒 998-0841酒田市松原南24-1
電話:0234-26-1707
営業時間:11:00~14:00、17:00~22:00 定休日:火曜日