平成24年9月に開園した福島から避難している母子のための保育園が、この3月を持って閉園します。
開園の背景は、福島と山形との二重生活に経済的困難を感じた母親たちが立ち上がり、待機児童の多い山形市で安心して預けられる保育施設を作りたいと、認定NPO法人IVYへの依頼があったことがきっかけでした。
保育士の資格を持つ避難している母親たちが、子どもたちの健康や安全を考慮した保育内容、食事などを検討し手作りの保育園が始まりました。福島ではできない外遊びを思いっきりさせてあげたいと、毎日のように山登り、川遊び、そり滑りとでかけました。ご近所の方とも顔見知りになり、また、学生ボランティアや、体操教室など多くの方が訪問し、子どもたちとたくさん触れ合ってくださいました。
そして、保育園に預けることでお母さんたちが積極的に就労し、自立しようとする必死に頑張る姿を見ることができました。見知らぬ土地に母子だけで生活する不安は計り知れません。それでも、子どもを守るお母さんの強さを感じざるを得ませんでした。
13人から始まった園児も延べ61人を数えました。閉園に伴い7割弱の園児が認可保育園や幼稚園、小学校へと進みます。福島に戻られる子どもたちもおります。皆さんどこにいても、ここで子どもたちを守ってきたことを誇りに、笑顔でいてくれることを祈っております。
あいびぃ保育園
プロジェクトマネージャー 今野 けい子