フリーペーパー うぇるかむ

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放射能を考えるシンポジウム~南相馬市の放射能にどう向き合うか~
 11月24日(月・祝)、福島県南相馬市鹿島区「さくらホール」にて、南相馬市の放射能をテーマに市民が安全な生活環境を考える機会として、シンポジウムが開催されました。
 前半は、児玉龍彦氏(東京大学アイソトープ総合センター長)の講演で「南相馬市の放射能と向き合って」と題し、最新の除染状況、米作り・漁業の再開の安全確認の背景、除染土や汚染水の保管場からリサイクルを推進する背景を、詳細なデータを基に詳しく解説されました。
 児玉氏は震災の23年7月に衆議院厚生労働委員会で国の原発事故対応を厳しく批判したことで知られていますが、現在も福島県南相馬市や双葉郡での除染活動に関わっています。民間企業にも高性能の機器の開発を促し、「安心」はサンプル検査ではなく「全検査」との考えから、鮮度を落とさず短時間のより詳細な線量測定全検査が実現しているとのことです。
 後半は、桜井市長司会の下、児玉氏に渡邉正巳氏(京都大)、堀有伸氏(雲雀ケ丘病院副委員長)ら専門家と市民の代表二名も加え、パネルディスカスション「南相馬市の放射能にどう向き合うか」が開催されました。
 聴衆からは「最新の除染状況、精密な測定、リサイクルと言っても“危ないものを使い回すことではなく安全に保管・移送するための方法だということが分かってよかった」「安心・安全ありきのパネリストでなくてよかった」との声がありました。現実的に向き合うために正確な情報を取り入れ続けるよう、強く勧められていたことが印象的なシンポジウムでした。(南相馬市A)