
9月13日(土)~15日(月)の3日間、山形県立上山明新館高等学校のグラウンドで社会人ソフトボールチーム「Do Wonders」主催のソフトボール大会が開催されました。この大会は東日本大震災の復興支援と、昨年からは能登半島地震支援も加わり、今年で14回目を迎えました。被災3県をはじめ、青森・山形・千葉・石川・静岡から高校生13チームが参加。熱戦が繰り広げられ、選手たちは掛け声を交わしながら真剣な眼差しでプレーし、家族や友人の熱い声援が会場を包みました。
震災以前から山形県の高校ソフトボール部は他県との交流を深めており、震災時には多くの高校が被災し、顧問や監督、生徒の安否確認に奔走したそうです。日常が一変し、避難生活で学校にも通えず、部活の道具やユニフォームも失われた中、山形で少しでも心穏やかに過ごし、ソフトボールを楽しんでほしいという思いから、保護者や県内企業の協力も得て、2011年4月に第1回大会が開催されました。
当時参加した石巻高校の生徒は「自分達だけ、こんな風にしてもらっていいのか」と涙を流したそうです。不安の中で力いっぱいプレーした記憶は、今も大切に大会記録誌に残されています。
現在の参加選手は震災の記憶が殆どない世代ですが、事前に震災について学ぶチームもあるそうです。主催代表の松本直美さんは「大会を通じて多くの人と交流し、教育者も生徒も互いの存在から学びを得て欲しい。震災を思い出し原点に返り、日常が当たり前ではないことを忘れないでほしい」と語り、勝敗にとらわれず試合を楽しむこと、そして震災の伝承の大切さを伝え続けています。


