12月11日、公開シンポジウム「県外から帰還する乳幼児家族のニーズとは~現場の活動から今後の支援のあり方を考える~」(主催 福島大学行政政策学類地域環境論研究室)が開かれました。
今回のシンポジウムでは、ニーズ把握が難しいとされる「小さなお子さんを育てる県外避難者」に焦点をあて、避難先での生活、帰還後の生活、それらの支援策、さらには福島県内に住む人達との関係性などについて、もっとも現場に近い所で支援策を継続されてきた方々と、支援内容や課題について話し合いました。
はじめに、県内の帰還者支援の取り組みの現状について、現在活動している3つの支援団体のそれぞれの代表者からお話がありました。
次に、避難ママが自ら立ち上げた「ひろしま避難者の会アスチカ」が避難者からみた帰還支援について、「NPO法人みみをすますプロジェクト」の代表者からは支援者からみた帰還支援についての活動内容や問題点のお話がありました。
質疑応答では、「これから福島に戻るお母さん達から『福島では放射能の話題をなかなか口にできない雰囲気や温度差の問題があると聞いて、福島に帰ることに不安があります』という声を聞いていますが、実際の状況を教えて下さい」という質問がありました。
帰福ママ対象のサロン「ビーンズふくしま」の富田さんは、「ままカフェの中でも、ある時を境にお母さん達が放射能について口にすることがあまりなくなりました。とても難しい問題です」と回答されていました。
また、NPO Earth Angelsの安斎さんは「私たちの活動の中でも、それぞれお母さん達の思いを否定せず、受け止め、どんなことでも話せる居場所作りがこれからもっと必要だと感じています」と話していました。
避難先での生活や帰還後の生活、県内にとどまった人たちとの関わりについて、問題点を把握し、寄り添った支援を考えることが大切だと思いました。(榊井)
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「うぇるかむ」45号に掲載しました記事「公開シンポジウムin福島大学」の文中に事実と異なる部分がございました。「ままカフェの中でも」ではなく「福島のお母さん達の中でも」の誤りでした。ままカフェでは、放射能への不安や子どものあそび場など、様々な悩みを語り合っています。関係者の皆様にお詫び申し上げます。