フリーペーパー うぇるかむ

「うぇるかむ」は、東日本大震災により、山形県へ多数の方が避難されたことをきっかけに、2011年8月に創刊されました。詳しくはこちらをご覧ください
キーワード:帰福してから半年…今、伝えたいこと
今年4月に山形の避難生活を終え、二本松に戻ってきてから半年が過ぎました。
 私にとっての二本松は生まれ育った故郷です。でも震災後、放射能汚染問題により何も考えずには暮らせなくなりました。
 戻ってからの半年間、放射能に対してまわりとの温度差、学校生活での問題などいろんな意味で放射能問題と向き合って、日々の生活を送っています。    
知りたいホンネ「私のばあい」 ~Q&Aでお答えします~
Q.山形から戻った時、子ども達はまわりの環境に慣れましたか?
A.二人の娘がいますが、二人ともすぐに慣れました。でも山形の仲の良い友だちとの別れが精神面で負担になってはいけないと、休みの日に山形の友だちに会いに行ったりしていました。
Q.(気持ちの)温度差は感じますか?
A.放射能問題については、人それぞれ違った意見があると思います。放射能に対しての関心、知識、危機感の度合いなど、考え方の違いから差が生じるのではないか、と私は思います。
 私が避難から戻ってすぐの4月、「汚染地区に戻ってきたんだから、子ども達を放射線からガードしなくては!」と強い思いがありました。
 娘たちの通う小学校の手続きに行った時、モニタリングポストが0.28μ/svの校庭の遊具で遊んでいる子ども達を見て驚き、お母さんと一緒に通学路を歩く練習をしていた1年生のお友達に会って、汚染前と変わらない普通すぎる光景に、気にしている私がおかしいの?…異常反応し過ぎなの?…としばらく悩んでいました。でも、悲しい事実ですが、家の中の線量も0.2~0.3μ/svあり、外の校庭の線量とあまり変わらないことに気付きました。そこで自分の危機感レベルのラインを決めたことで、柔軟な考えもできるようになり、心苦しさも軽くなりました。
Q.福島での生活で特に気を付けていることは?
A.
・私が住んでいる地区は空間線量が0.5μ/sv以上の場所が多いです。自宅付近の高い線量場所は把握して子ども達を近づけないようにしています。
・マスクは必須アイテムです(特に風の強い日)
・給食のごはんは弁当持参(地元米使用のため)
・洗濯物は部屋干し
・野菜の産地を選び購入しています
・放射能の話を一緒にできる人(場所)を見つけることも大切です。(誰にも放射能の不安を打ち明けられず、悩みをため込んでしまうと、子どもを守る前に自分がダウンしてしまいます。)ここで生活して行くためには子ども達と私たち大人が無理なくできることを実践し、できる限り被曝線量を減らす生活が大切だと思っています。(S)

土手付近の窓際は線量が高いためペットボトル遮蔽

自宅窓際0.3~0.4μ/sv

近所のグランド駐車場0.9~1.1μ/sv(空間線量)