奈良県の室生寺にある大きな御神木に出会った夜、こんな言葉が降りてきました。
『私には、折れている枝葉や腐った幹、枯れた根っこすらある。だがね、枯れた根はそのままに、
私は新たな根を生やす。枯れた枝はそのままに、新しい葉をつける。
根はさらに広がり、幹はどんどん太くなる。枝葉は茂り、私はまたどんどん成長していく。
腐った部分に意識を向けていたならば、わたしはすでに枯れて果てていただろう。
わたし達は常に、自らの中に生まれる新しい命に意識を向けるのだ。
いづれは、わたしも朽ちるだろう。
けれど、この星の一部として、この身を捧げるに何のためらうこともない。
すべては生まれ朽ちてゆく。だからこそ、この命は輝き、この生が愛おしい。
わたしはわたしの命を、新たな命のために輝かせてあればいい。
ただここに在り、ここに生きていくことで…』
人の心も命も同じく、前に向かってのみいけばいいよと言われたような気がした夜でした。
香術師範・カウンセラー 志村 友理