フリーペーパー うぇるかむ

「うぇるかむ」は、東日本大震災により、山形県へ多数の方が避難されたことをきっかけに、2011年8月に創刊されました。詳しくはこちらをご覧ください
「安波祭」写真展

3月18日~5月中旬までの期間、山形市にある吉田カメラ二口橋新本店にて、「安波祭」写真展が開催され、2階ギャラリーにおいて、アマチュアカメラマン渡辺和哉さんが撮影した写真が数十点展示されました。

安波祭は豊漁と海上の安全を祈る、浪江町請戸地区の祭りで、約300年の歴史があります。もともとは旧暦の1月24日に行われていましたが、近年は2月の第3日曜日に行われるようになりました。

祭りの当日は神社から金銀の御幣を持った奉賀の行列と神輿が集落を練り歩き、花笠を被った子どもの踊り子が家々を回り歩き、お囃子に合わせ田植え踊りを披露。また、一方で樽神輿を担いだ若者が冬の冷たい海に入り大あばれした後、浜辺に上がり、海水を汲み上げ、そのにごり具合で豊漁と豊作を占うといわれています。

震災後、安波祭は県内の仮設住宅で行われ、2018年からは地元で祭りを再開。その後、昨年までの2年間はコロナ禍の影響で神事のみが執り行われてきましたが、今年は祭りが復活し、田植踊りと神楽が披露されました。

渡辺さんは、2011年2月に初めて安波祭を撮影し、翌月に東日本大震災が起きました。当時撮影した写真は貴重なものとなり、その後、仮設住宅に避難している浪江町の方に写真を届け、写真の中の自宅を見つけて懐かしいと大変感謝されたそうです。

渡辺さんはメッセージで「震災による町民の避難など、辛い時期を乗り越えてきたが、安波祭は途切れることなく、毎年行っている。撮り貯めたものを毎年展示しているので、皆様にご覧頂き、少しでも何かを感じ取って頂けたらうれしい」と綴っていました。