東松島市は仙台市の北東30kmの距離にあり、松島町と石巻市の中間に位置する「奥松島」として知られるエリアです。東日本大震災では津波により市の36%程が浸水し、1,110名の尊い命が犠牲になりました。震災後、山から土を運搬し整地をして土地の復興が進み、野蒜海岸の近くには復興祈念公園が整備されました。園内には慰霊碑のほか、「旧野蒜駅」プラットホームが震災遺構として当時の姿のまま保存されています。旧駅舎は「震災復興伝承館」として活用され2016年10月にオープンしました。
館内には震災の資料や写真がパネル展示されており、被災前の自然豊かな姿と被災後に変わってしまった姿、そして今日までの復興の道のりを知ることができます。また、大型スクリーンでは被害の状況や被災された方の体験談などの記録映像が上映されています。職員さんのお話しでは、伝承館の目の前には「東名運河」が流れており、普段はたっぷりの水量ですが、津波が来る直前に一旦水が引いて空っぽの光景を目にしたそうです。改めて津波の脅威を思い知らされました。
周辺の見どころとして、伝承館から10kmほど離れたところに、有名な「ブルーインパルス」の本拠地、航空自衛隊「松島基地」があります。平日に飛行訓練が行われるほか、夏には航空祭が開催され全国からの航空ファンで賑わうそうです。
また、野蒜のすぐ先に宮戸島があり、その突端の約2kmのエリアに日本三大渓の一つ「嵯峨渓」が広がっており、人気の観光スポットの一つになっています。切り立った崖や奇岩などの絶景を遊覧船やトレッキングで巡ることができます。
【お問合せ】
東松島市震災復興伝承館
〈住所〉
東松島市野蒜字北余景56-36
〈TEL・FAX〉
0225-86-2985
〈開館時間〉
9時から17時(通年)
〈休館日〉
毎月第3水曜日、年末年始
〈入館料〉
無料 ※10名以上でご来館される場合は事前にご連絡下さい。