フリーペーパー うぇるかむ

「うぇるかむ」は、東日本大震災により、山形県へ多数の方が避難されたことをきっかけに、2011年8月に創刊されました。詳しくはこちらをご覧ください

人にはそれぞれの役割がある。その役割を受け容れて生ききった人生が、どれほどに誇りあるものかを深く感じた出来事があります。私事ですが、1/30、母が他界しました。38年前、最愛の夫を亡くし、以降、姉家族とともに暮らしてきた母は、多忙な姉の代わりに、家事をこなし、4人の孫の世話をし、家族のために一生を捧げた人でした。父と結婚する前は、社交的だったと話す母。実は、母は、昭和の大スター女優になっていてもおかしくないくらいの絶世の美女なのです。けれど、父の希望通り仕事にも出ず、ひたすらに家を護る人になっていきます。家族のために生きた母は、在宅での緩和ケア医療を望み、みんなに看取られて最期の時を迎えました。
最後のお役目は、大手術を受けた義兄の見守り。無事、手術に成功した義兄の話によると、術後、麻酔が効いた中でうつらうつらしている時、母がずっと左手を握っていてくれていた…と。その日から4日後、母は旅立っていきました。愛と慈しみを与え続けた母。愛のバトンは、育てた孫の世代にすでに受け継がれています。

カウンセラー・スピリチュアルケアアドバイザー 志村 友理