フリーペーパー うぇるかむ

「うぇるかむ」は、東日本大震災により、山形県へ多数の方が避難されたことをきっかけに、2011年8月に創刊されました。詳しくはこちらをご覧ください
塩川 嘉徳さん、千夏さん

インタビューこれまでの10年

Q.10年間長井市で暮らしていかがですか?

3年目にこの店を開店できました。私は相馬から来たので、今思えば避難はしてきたものの、特別ではなく普通の大変さでした。特別ではないと思い、どんどん前に進むしかありませんでした。最近は熊本やほかの地域でも大きな災害が多発していて、そっちの方が大変だと思っています。
冬は、雪片付けがとても大変で、雪片付けだけで1日が終ってしまうこともあり、へとへとになります。むしろ雪かきの方が、慣れない私たちにとって大変だった気がします。

Q.新型コロナウイルス感染症の影響はいかがですか?

ようやく経営も順調になってきたところでの時短営業の要請だったので、昨年からはじまったコロナの影響の方がとても大きく感じています。飲食店にとっては本当に死活問題です。
最初の緊急事態宣言による時短営業の要請から、営業時間を延ばしたり縮めたりせずにずっと9時まで営業をしています。カウンター席もあるのですが、コロナで使っていません。地元のお客さんはどうしても座って食べたい方が多いように感じています。
未だコロナは全く先が見えない。原発は先が見える気がしました。

Q.お子さんの様子はいかがですか?

避難してきたときは,2歳でしたが今は中学1年生になりました。当時のことはほとんど覚えていない事が良かったと思っています。中学校では卓球部に入り、毎日練習を頑張っています。同じく避難してきた子と偶然クラスも部活も一緒で仲良くしているので、安心しています。
子供会もありますが仕事で中々参加できなくて、1年に1回位しか参加できませんでした。でも長井市の黒獅子祭りはとても良い経験になったと思います。昔からの伝統芸能に参加できたことは、素晴らしいことだと感じています。娘自身も楽しんでいるようです。

Q.地元の方とのつながりはどうですか?

皆さんとても親切な方が多く安心して暮らしています。
長井市民は、知らない人でも挨拶をしてくれたり、親でなくても子供たちみんなを見守ってくれるので、子供を育てるにはとても良いところだと感じています。

Q.今後についての考えを聞かせてください

「今後」というのは全く考えられないです。コロナが少し落ち着いてきて、人の動きが出てきたので最近はようやくお客様が来てくれるようになりましたが、完全に収束するまでは、営業を続けるかどうかの判断が出来ません。閉鎖することも視野に入れて日々営業を続けています。

避難者の方へ

仕事柄、新潟や山形市で働いた経験があります。賃金の格差が大きく、雪のある地方ではスタッドレスタイヤをはじめ、雪のない地方に比べると経費がかかることも事実です。戻りたい気持ちもよくわかりますが、山形に残れるのであれば、苦労することもあると思いますが、山形の良いところを見つけて、地域の特徴、性格を理解して暮らせば楽しいと思います。

Dining café-bar アトリエ・パッション

営業時間/11:30~14:30(ラストオーダー14:00)17:30~21:00(ラストオーダー20:30)
定休日/火曜日
住所/〒993-0011 長井市館町北6-14
TEL/FAX 0238-84-2125

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