Special Interview:山形市 水戸 百合恵 さん
ライター
山形市 水戸 百合恵  さん 
Special Interview

Q 震災の時はどこで過ごしていましたか?

 福島県相馬市です。震災の時は勤務先にいました。自宅は海からすぐ近くの所にあったので、「津波が来る」とみんなが騒ぎ出して不安でいっぱいになりました。息子と母が「片づけのために家に戻った」とメールで知らせが入ったので、死を覚悟して迎えに行きました。二人を迎えに行って逃げて来た10分後には、家は津波で流されていました。
 その後1か月は避難所で過ごし、翌月の4月に息子と山形市に来ることになりました。
 山形に来てからは、避難者の生活支援相談員を4年ほどしていました。人との繋がりが広がった事は、やって良かったと思います。

Q  小説を書き始めたのはどんなきっかけですか?

 10代の頃から本が好きで、良く古本屋に通っていて、お店の人に「書くと良いよ。」と言われたのをきっかけに、18歳くらいから小説を書き始めて、同人誌に掲載をしてもらっていました。純文学や社会問題の本や哲学書、色んなジャンルの本を読みます。
 山形に来て、テレビを見ている時に「山新文学賞」の事を知って、息子に相談したら「書いてみれば?」と言われたのをきっかけに、数十年ぶりに書き始めました。
 津波で家が流されて、家族の写真も流されてしまったので、小さい時いつも一緒にいたおばあちゃんの記憶を残しておきたいと思い、1作目はおばあちゃんとの思い出を作品にしました。映像が頭の中に浮かび始めれば、あとはその情景をどんどん書き起こしていきます。時間を置くと客観的に見えてくるので、ほぼ出来上がったら書いたものをしばらく放っておいて、もう一度書き直す、というやり方で推敲を重ねていきます。
 山新文学賞に投稿して、しばらく経って忘れていた頃に受賞の連絡があって、びっくりしました。その後は2作品、昔の友達や先輩のことなどを題材に書いてみました。
Special Interview
 
Q 今後はどんな事をしてみたいですか?

 私は何でも見ているよりやってみる方が好きで、昔からバイクやギターも、自分がやりたいと思った事はとことんやってみるタイプ。これからやってみたい事は、児童文学を書くこと。自分が子どもの時に大人に言いたかったと思う事を、子どもの味方になった目線で書いてみたいです。
Special Interview
[ごんのさらい]紹介
3姉妹の長女あき子と祖母のばっぱちゃんの触れ合い。
昭和を思い起こさせる情景を易しい言葉で紡いだ。

避難者の方へのメッセージ

 ありきたりだけど、人は一人では生きられないから、出会いを大切にしていきたいと思います。人との関係性は本当に大事。普段はどれだけ大事か気が付かないけど、大事な人が亡くなったり、病気になった時に、思い知らされます。「もっと会っておけば良かった。」と後悔しないようにしていきたいと思います。

☆掲載された短編小説をお読みになりたい方は、復興ボランティア支援センターやまがたまでお問い合わせください。各地の図書館でもご覧いただけます。

【お問合せ】
〇復興ボランティア支援センターやまがた TEL:023-674-7311(平日9:00~17:00) 
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